前ページでは、うつ病の原因となりうる精神的な側面を書きました。
一方で、うつ病を脳の病気という側面で捉えると、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)の活動が低下することが原因だと考えられています。
これらの神経伝達物質は、私たちの脳の中で、意欲を活性化させる役割を持っており、働きが悪くなると、私たちのやる気がなくなって、うつ病の症状が発生するとのことです。
そのため、うつ病治療においては、脳内で不活性になっているこれら神経伝達物質の働きを促進させるための薬を処方されることが多いのです。
では、なぜ神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどが脳内で働かなくなるのでしょうか。考えられる要因として、次のことが挙げられます。
精神的なストレス
体内にある内分泌器官の異常により、ホルモンバランスが崩れる
事故で頭に障害を受けた影響で、神経伝達物質が正常に分泌されなくなる
自律神経失調症、アルツハイマー型痴呆など、他の病気の症状として
精神的なストレスによって、神経伝達物質が働かなくなり、うつ病を患ってしまう、というのは想像がつきやすいと思いますが、脳の障害によっても、うつ病になる可能性があるというのは、驚かれた方が多いかもしれません。
事実、私の知り合いにも、頭部に怪我をしてからうつ病を発症したという人がいます。50代の男性ですが、風呂場で足を滑らせて頭を強打してから、それまで明るく精力的な性格だったのが、驚くほどに後ろ向きになり、表情も暗くなってしまいました。本人が言うには、何ごとも意欲的になれず、うつ病だと診断された。